4月5日
龍谷ミュージアム
特別展 真宗と聖徳太子
(4月1日~ 5月28日)
親鸞生誕850年記念に、真宗における聖徳太子信仰の諸相を紹介。真宗では親鸞が六角堂にて聖徳太子の示現を得て専修念仏へと進んだことから聖徳太子を重視する。順照寺和朝太子先徳連坐像(至徳元年・1384)、佛道寺光明本尊(応永5年・1398)、豪攝寺南無仏太子像、頓受寺南無仏太子像、光照寺聖徳太子童形立像、西光寺童形立像(暦応4年・1341)、松岡寺聖徳太子孝養立像、常楽臺存覚像(応安5年・1372)、瑞泉寺聖徳太子絵伝、正雲寺聖徳太子絵伝、)などなど、中世の作例多数。真宗系絵伝や祖師像の多様なバリエーションを一望できるありがたい機会。出陳リストにないが、展示の最後にハーバード大学美術館所蔵の南無仏太子像の像内納入品の精巧な複製を紹介。科研「宗教テクスト文化遺産アーカイブス創成学術共同体による相互理解知の共有」の成果を反映。図録あり(152ページ、2000円)。
5月2日
奈良国立博物館
特別公開 奈良・不退寺本尊聖観音菩薩立像
(3月21日~5月14日)
保存修理が施された不退寺本尊非聖観音菩薩立像について、作風が共通し本来一具であったことが確実な文化庁観音菩薩立像とともに並び立たせて公開する貴重な機会。文化庁像の像内納入品にもと不退寺伝来像であることを示唆する文言がある由。両像の保存状態の違いに思いをはせつつ、同室安置の新薬師寺十一面観音立像とも比較しながらじっくり鑑賞。リーフレットあり(A4、両面)。
5月5日
香川県立ミュージアム
弘法大師生誕1250年記念特別展 空海-史上最強、讃岐に舞い降りた不滅の巨人-
(4月22日~5月21日)
弘法大師生誕1250年を記念し、空海ゆかりの重要資料と四国所在の関連文化財を集めて公開する。金剛峯寺諸尊仏龕(国宝)、仁和寺三十帖冊子(国宝)、京博・奈良博金剛般若経開題残巻(国宝)のほか、與田寺稚児大師像、虎屋秘鍵大師像、覚城院善通寺御影、圓通寺弘法大師像(三尊合行法と関わる図像)、極楽寺日輪大師像など大師像のさまざまなバリエーションを紹介。仏像では井戸寺十一面観音立像、願興寺聖観音坐像、行徳院六字明王立像、與田寺不動明王立像、工芸資料では善通寺錫杖頭、弥谷寺四天王五鈷鈴等々、重要資料多数紹介。図録あり(144ページ、1800円)。
5月9日
龍谷ミュージアム
特別展 真宗と聖徳太子
(4月1日~ 5月28日)
見学実習で再訪。天満定専坊本願寺聖人親鸞伝絵、四天王寺聖徳太子絵伝、勝鬘皇寺聖徳太子絵伝、福田寺聖徳太子勝鬘経講讃像・震旦和朝高僧先徳連坐像など後期展示の資料を確認。図録あり(152ページ、2000円)。
京都国立博物館
特別展 親鸞 生涯と名宝
(3月25日~5月21日)
親鸞聖人生誕850年を記念し真宗十派が連携して宗派の重宝を集約する大規模な記念展。教行信証はじめ聖教類から消息まで多数の親鸞自筆資料を展示室の各所に配置し、また本願寺聖人伝絵や親鸞聖人絵伝をストーリーテラー的に活用して、親鸞の生涯と思想・信仰、教団化及び分派の様相と祖師・派祖崇拝の諸相を紹介する。終章に親鸞の肖像(鏡御影・安城御影・熊皮御影の諸本を細かく展示替え)と名号(西本願寺本・専修寺本・妙源寺本を細かく展示替え)の2点のみを配置する会場レイアウトはよく練られた展示手法。図録あり(344ページ、3000円)。
5月16日
大阪中之島美術館
デザインに恋したアート・アートに嫉妬したデザイン
(4月15日~6月18日)
見学実習で訪問。デザインとアートの境界と重なりを1950年代から2010年代までの多数の作例から紹介。東京オリンピックポスター、ヤノベケンジ《アトムカー
(黒)》(国立国際美術館)、奈良美智《どんまいQちゃん》(和歌山県立近代美術館)、深澤直人 《INFOBAR》(KDDI株式会社)等。図録あり(2980円)。
中之島香雪美術館
企画展 修理のあとに エトセトラ
(4月8日~5月21日)
香雪美術館が所蔵し、順次修理が施されている文化財について、その修理工程や成果を丁寧に紹介する。上畳本三十六歌仙絵 猿丸太夫、岩佐又兵衛筆堀江物語絵巻、長谷川等伯筆柳橋水車図屏風、一字金輪像、聖徳太子絵伝、薬師如来立像、南無仏太子立像等々さまざまな形態・材質の優品がずらりと並び、それぞれ修理過程の情報を画像を多数用いてパネルで示して、資料に応じた文化財修理のあり方を丁寧に伝える。台帳類や誂えた表装裂など収集者である村山龍平による修理への取り組みも紹介。図録はないが、『書物学』23号(勉誠社、1980円)が「特集 文化財をつなぐひと・もの・わざ-香雪美術館書画コレクションを支える装?修理の世界」と題して作例及び修理内容について特集。
5月20日
和泉市久保惣記念美術館
特別陳列 日本美術の名品-和泉の文化財とともに-
(4月9日~6月4日)
同館所蔵のコレクション及び和泉市内の仏教美術を紹介。山崎架橋図(重文)、法華経巻第一方便品第二(重文)、胎蔵旧図様、山王霊験記絵巻(重文)、歌仙歌合(国宝)など館蔵指定品を中心に選定し、館外からは松尾寺孔雀経曼荼羅図(重文)、槙尾山経塚出土の経筒や青磁・白磁類、納花町会と万町町内会の十六羅漢像を紹介。図録なし。
5月23日
福田美術館・嵯峨嵐山文華館
橋本関雪生誕140周年 KANSETSU-入神の技・非凡の画-
(4月19日~7月3日)
共通の運営体制である両館と白沙村荘橋本関雪記念館の3館合同で開催する関雪の大回顧展。青年期から晩年期まで、さまざまな画風・画題の作品を集約。京都国立近代美術館《失意》、橋本関雪記念館《琵琶行》《猟》《木蘭》、福田美術館《後醍醐》など屏風の大画面作品から、《玄猿》ほか動物を描く小品まで、いずれも優れた画技で破綻なく整うとともに、漢詩を重視して書にも優れ、オールラウンドに才能を発揮した近代期の巨匠であることを、多数の作品により語る構成。図録あり(224ページ、3300円)。村田隆志「紙碑としての橋本関雪論-『橋本関雪先生之碑』を巡って-」をはじめコラム・特論多数掲載された力の入った一書。
松尾大社神像館
同社伝来の平安時代前期三神像ほか神像群21軀を拝観。康治2年(1143)銘男神坐像や笑相老翁の男神坐像など。
5月25日
和歌山県立博物館
特別展 きのくにの小浪華-湯浅ゆかりの文人の書画-
(4月29日~6月18日)
江戸時代、商業都市として栄えた湯浅における文芸活動の足跡を明らかにする初めての機会となる展覧会。漢詩をよくした豪商菊池海荘の肖像や関連資料、海荘が中心となって活動した詩社・古碧吟社の活動を示す資料、馬上清江や平林無法ほか湯浅ゆかりの絵師の作品など書画や典籍を集める。文人画ではほかに柳川星巌、大江霞岳、黄仲祥、上辻木海、野呂松蘆、浜口灌圃など。図録あり(90ページ、1200円)。
5月27日
高野山霊宝館
宗祖弘法大師御誕生1250年大法会記念展 お大師さまから・お大師さまへ 1期
(4月15日~5月28日)
弘法大師生誕1250年を記念して、大師ゆかりの手蹟や唐請来品と御影堂への寄進資料を展観し、あわせて空海伝を絵巻や肖像ほかを活用して紹介。国宝聾瞽指帰、金念珠、四天王独鈷鈴、高野大師行状図画、厨子入倶利伽羅竜剣、宝寿院文殊菩薩像等々。弘法大師像としては善通寺御影、秘剣大師、瑜祇大師、稚児大師、弘法大師及び四社明神像、弁才天十五童子に弘法大師が併せ描かれる作例など豊富な事例を紹介。図録なし。
5月28日
奈良県立橿原考古学研究所附属博物館
特別展 神宿る島 宗像・沖ノ島と大和
(4月22日~6月18日)
宗像・沖ノ島祭祀の資料群と大和盆地の祭祀やまじないに関する資料とを対比しその共通性を示すことで、沖ノ島の祭祀が大和王権による海上交通祈念の性格を有することを紹介する。宗像大社の杏葉と藤ノ木古墳の杏葉が並び、かつ藤ノ木古墳資料の出来映えがより優れていることなどモノに雄弁に語らせる。同館でこそ実現できる巨視的かつ意欲的な内容。図録あり(88ページ、900円)。
歴史に憩う橿原市博物館
博学連携企画展 これ、おもろ。知らんけど。
(3月25日~6月18日)
同館が引き受けた博物館実習生による展示。考古資料の魅力を幅広く捉えることを目的に、さまざまな入り口を示して資料への興味を喚起する内容。土器に残る焼成不良の黒い煤染みをゴリラに見立てたり、焼成時の赤斑を夜空の星に見立てたりと、自由な発想で遺物を楽しむ。手作り触図を用意して展示のユニバーサルデザインを目指した点も博物館の先端事例の把握に基づくもので好感。図録なし。
5月30日
長谷寺
見学実習で長谷寺参拝。宗宝蔵では春季特別寺宝展(~7/9)鑑賞し、本堂では本尊十一面観音立像の内陣ご拝観。
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月