展覧会・文化財を見てきました。

─展覧会鑑賞・文化財見学に関する勝手な感想─

最終更新日 7月6日


2020年度

4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月



4月12日
高野山霊宝館
 冬期平常展 密教の美術
(1月18日~4月12日)

 コロナ禍で閑散とする高野山に登り霊宝館の冬期展最終日を一人鑑賞。近時修復した資料を紹介。快慶作の執金剛神立像・深沙大将立像の像内納入品の宝篋印陀羅尼は、建久8年(1197)銘で、源阿弥陀仏や名阿弥陀仏の名あり。円通寺の十巻抄(鎌倉時代・重文)、白描不動明王二童子毘沙門天倶利伽羅龍像(鎌倉時代・重文)も修理後初公開。ほか、光台院毘沙門天像(平安時代・重文)のほか、西南院の熊野曼荼羅(南北朝時代)は兵庫・温泉神社と同系統の図像の作例、成福院の春日鹿曼荼羅(室町時代)は鹿の背に載せた鏡面中央に長谷寺式十一面観音が描かれる作例、親王院の三十番神像(南北朝~室町時代)は堅実な出来映えで、五坊寂静院伝来。同院には日蓮(是聖房蓮長)も遊学。彫刻では金剛峯寺の厨子入三宝荒立像が天正17年(1589)木食真山人作の銘が厨子にあり。図録なし。鑑賞後、参拝者の姿の見えないがらんとした壇上伽藍を巡って悪疫悉除を祈念。

5月19日
高野山霊宝館
 企画展 ほとけさまと動物たち
(4月18日~7月5日)

 仏教美術のなかに表される動物の表象を収蔵資料の中から紹介する。宝寿院六字尊像(重文・前期)、金剛峯寺両頭愛染曼荼羅(重文・前期)、竜光院屏風本尊(重文)、遍明院文殊菩薩及使者像(重文)や天野社伝来の舞楽装束(重文)、竜光院灌頂法具類のうち龍頭(重文)、大津絵の摩利支天像、親王院阿闍梨遍照尊像(昭和2年・福田恵一筆・帝展出品、250㎝×191㎝)などバラエティーに富んだ資料選定。ほか竜光院弘法大師二大弟子像は、大師と二弟子を中央に、左上に一身二頭像(伝奥砂子平尊、殊蛇死平尊)、右上に金剛薩埵、左下に両頭愛染、右下に不動明王を配し、中尊頭上に宝珠・日月・龍・内側に格子を描いた楕円形・白蛇を並べる特殊な修法の本尊像で、南北朝~室町時代前期の作。初公開の清高稲荷社関係品(地蔵寺蔵)の木札には寛文10年銘とともに真徳院の名あり。桃山期に活動した面打真徳院と関わるなら重要情報。動物という観点で間口を広く設定しながら、高野山の密教世界の奥深さを存分に伝える内容。図録なし。

6月

7月6日
八尾市歴史民俗資料館
 企画展 道鏡に出会う-木造道鏡禅師坐像造立記念-
(4月25日~7月13日)

 道鏡を知る会が発願し、彫刻家・東京芸大教授の籔内佐斗司氏に依頼して制作された道鏡坐像の完成お披露目展示。八尾市民を中心に40年前に設立された道鏡を知る会の歩みを、設立者である郷土史家の山野としゑ氏を中心に紹介することで、市民による歴史顕彰の情熱的な活動を広く共有する機会ともする。近年史跡指定された称徳天皇と道鏡ゆかりの由義寺跡から出土した軒瓦も展示(常設展示にも出陳中)。籔内氏により造像された道鏡像は、奈良時代末~平安時代初期の僧形像をモデルとした重厚な作風で、眉目秀麗な風貌は市川海老蔵をイメージした由。道鏡坐像はこの後10月に西大寺に奉納されるとのこと。道鏡の実像を追求する民間活動を基盤に、由義寺跡塔基壇跡の発見と史跡指定を好機として、広く寄附を募って(クラウドファウンディングも併用)道鏡像製作を成し遂げ展覧会を開催した流れは、住民と行政が協力して地域文化を掘り起こす理想的なあり方といえる。いつか由義寺跡に道鏡像安置できれば最高。図録なし。

8月

9月

10月

11月


12月

1月

2月

3月